全身性エリテマトーデス(SLE)という難病になって、4年がすぎ、この年末で5年目に入りました。
今でも昨日のことのように覚えています。
2018年から2019年にかけての年越しは、病室でひとり過ごしたことを。
年末年始はみんな一時退院していたので、大部屋でひとり静かに過ごしていました。そして元旦の朝、嵐の活動休止のニュースをテレビで見て知ったことを、なつかしく思い出します。
SLEという難病とともに4年間過ごし、当時のじぶんに伝えてあげたいことを3つ挙げてみました。
①医学は進歩しているよ。
SLEになる少し前、自己免疫性肝炎というこれまた難病と診断されていました。からだがきついのは昔からのことで、それ以外の自覚症状と思えるものは、見当たりませんでした。
薬も順調に減量できていた中で、その年の春頃から白血球などが減ってきていたんです。
当時の採血の結果は断捨離してしまったのではっきりとは覚えていませんが、正常値の4000は確実に切っていたと思います。
でも、主治医の先生から「もう少し様子をみよう」と言われていたので、定期的に受診している安心感と、先生がそう言うのだから大丈夫、と言う他人まかせの感覚で秋頃まで過ごしていました。
その結果が、ループス腎炎という腎臓に炎症が起きて体に水が溜まった状態になってしまっての発覚になったというわけです。
他人まかせにしていたことを猛烈に反省し、住んでいる場所の地域の病院では腎臓に炎症が起きていることすら見てもらえず(採血・検尿していたにもかかわらず)、医療不信になっていたこともあって、じぶんで本を買ったり調べたりして、入院してからたくさんたくさん調べました。
採血のこのデータを見たらいい、このデータが上がったらダメだけど、これは下がってきたら注意、みたいなのを、基礎的なところも含めて勉強し直しました。
「SLEの人は透析することになる人が多い」
と言う話も耳にすることになって、勉強すればするほど不安は募る一方でした。
結局、使うことで再燃しにくいというプラケニルという薬を飲んでいるということもあって、再燃することも、尿蛋白が出ることもなく4年間過ごすことができました。
もちろんその間には不安に感じることはたくさんありました。
でも、新しく変わった自己免疫性肝炎の方の主治医が、こう言ったんです。
「医療の進歩はすごいからね。ついていく方は勘弁、って思うけど。」
先生が言うには、なんとか細胞が(iPS細胞だったかな?)ができてから医療の進歩は急激に進んだそうです。
現場で治療をしている先生も、それについていくには勉強しなくちゃいけないし、大変だけど、と笑って話してくれるのでした。
SLEは特に、ここ数年で治療方法がどんどん変わってきているみたいなんです。教科書に書いてあるような予後と言われるものも、そのままじぶんに当てはまるとは限らない。
もちろん、病院まかせにするのは良くないけれど、心配しすぎることもないよ、と伝えたいです。
②〈 あなた 〉にとっての、ちょうどいい、を探そう。
すぐに人と比べてしまう。
みんながんばってるし、とかもそう。
みんなはできるのに、もそう。
みんながじぶんと同じくらいがんばっているかどうかは、わからないですよね。
あの人にとっての6、7割が、じぶんの9割、10割くらいかもしれません。
みんな、生まれもってきた細胞も体の中も、性格も、全部ちがう、それぞれがまったくのオリジナルな存在なんです。
それに加えて、SLEはもっとそう。
ひとことでSLEと言っても、症状はほんっとーーーーーーーーに、ひとそれぞれ。
関節の痛みがある人もいれば、体のだるさがある人もいる。
むくみがなかなか取れない人もいれば、顔はずっと赤いまんまのわたしみたいな人もいる。
本当に人それぞれなんです。
だけど、疲れやすい病気であることはたしかだし、免疫抑制剤を使ってるんだからウィルスや菌に弱いのはたしか。
その上で、じぶんはどこまでしたら疲れるのか、どこまでなら大丈夫なのか。
\\ じぶんにとってもちょうどいい、を探そう。 //
ということなんです。
これは経験していかないとわからない。
だから何をすれば体がきつくて、何をすれば楽になるのかを、まずは記録していくことです。
天気の影響を受けているのか、睡眠時間なのか、ストレスなのか、運動なのか。
記録をしていないと意外と見えません。
PMSですら、イライラしている時や強烈な眠気なんかも、手帳で月経周期を確認することでやっと、PMSかも、と気がつくものです。(もちろん手帳でいつ月経が来るかなと、見ながら暮らしている人は、すぐに気がつくかもしれませんよね)
記録をして見えてくるものは確実にあるので、記録を見ながらちょうどいいところを探していくのがおすすめです。
無理をしないって言うのは、そういうことだと、今は感じています。
じぶんでちゃんとわかるようになれば(それでも絶対とかはないので、じぶんの感覚は大事ですが)、ちゃんとNoが言えるようになりますしね。
③ちゃんと楽しく暮らしているよ。
わたしのループス腎炎の型はⅣ+Ⅴ型というもので、予後不良、というように書かれていました。
SLEの人は透析になる人が多い、と耳にしたこともあって、「わたしが今後元気でいられるのは10年くらいなのか。10年を目標にしようか」と暗い目をして考えていたことを思い出します。
病気とともにある生活に慣れてきた、というのもありますが、この4年間の試行錯誤の連続の結果でもあると思っています。
「元気でいるためにはどうすればいいか」
体のために続けること、というおけいこのようなものをほとんどしてきませんでした。
すぐ結果として現れるような講座とかはよく参加するけれど、一生続けていこうと思うものはなかったんです。
でも、元気でいるために何かを続けてみよう、そう思ったことがきっかけで、今は軽くて地味なトレーニングやヨガをするようになりました。
そんなこんなで、SLEになったばかりのわたしへ、4年後のわたしは元気で楽しく暮らしているよ、と伝えたい。
きっと5年後のわたしも、今のわたしに伝えてくれるでしょう。
\\ 今も元気で楽しく、暮らしているよ。 //
と。
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