「なんか損する気がする」
ゴミを拾うって言っても、今働いている場所は、病院とは違ってふとゴミが落ちていることも多いし、コードもぐちゃぐちゃしていて整理整頓されていないのが目についてしまう。
しっかり整理されていた以前の職場と比べて、乱雑な職場環境にげんなりしてしまって、たとえちょっとしたゴミが落ちていても見てみないふりをしてしまうこともありました。
だって、気がついたことを全部していたら、疲弊してしまうし、なんか損する気がするから。
昨年から、「徳を積もう」とか「いいことをしよう」という話を聞くようになっても、なかなか素直に行動に移せるようにはなりませんでした。
そんなケチでゴミも見てみぬふりをしていたわたしが、無意識に、自然にゴミを拾っているのを見て(というか、無意識にそう行動している自分に気がついて)おお、とびっくりしました。
「徳を積む」って、損する気がする。
「徳を積む」っていいことをする、というふうに言われるのですが、いいことをするって、わたしの中の感覚から反しているような感覚がありました。
なぜなら、それで生きづらさを感じていたからです。
長女だからしっかりしなきゃ。
空気を読んで、どう行動するべきかな、と考えて行動する。
顔色を見て、どんなふうに声をかけたらいいかな、と考える。
まだまだこんなんじゃだめ、もっとちゃんとしなきゃ。
そんなふうに、無意識のうちに抱えてきた思いを少しずつ手放していっていたので、徳を積むとかいいことをしよう、なんて言われても、じぶんの中の感覚が混乱していったのです。
いいことをするって、損するような気がする。
それは、自分を大切にできていなかったからなんですよね。
手放していたつもりの思い込み、少しずつ軽くはなっていたものの、それでもまだ、自分よりも他人を優先していたし、自分が我慢すればなんとかなる、とか、自分が無理してがんばれば丸くおさまる、みたいに思うことはよくありました。
そんな中、おととしの秋、ヨガ講師の方のコーチング講座の中で出会ったのが「セルフラブ」でした。
もちろん、自分を愛する、とか自分を愛そう、とか、そんな言葉は何度も聞いていたけれど、結局どうすればいいのかよくわかっていませんでした。
体がきついから洗濯物を干すのは親に任せよう、とソファに横になっている時の罪悪感たるや、もう、
「こんだけの罪悪感を感じているくらいなら無理してでも動いた方が気が楽だ」
と思うくらい。
“体がきつい時に横になることに対して、罪悪感を感じる”
ということが、自分を攻撃していることに気がついていなかったんですよね。
自分の感情に共感し、受けとめる。
それから、少しずつ、自分の感情を観察するようになり、実況中継することで少し距離を置いて見られることも増えていきました。
「あーーーーイライラする。・・・イライライライライラーーー!!!」
キーーーーーーー!!!!
みたいに、感情に飲み込まれてしまうこともしょっちゅうあるのですが、まあそれもご愛嬌。
感情が暴走する前に、感情に対してムツゴロウさんになるんです。
(・・・噛まれてますけど汗)
「なんでイライラするんだろう?」
「あの態度にイラッとしたんだな」
「そうそう、あれ、こんなふうに言われたみたいな気がして悲しかったんだよね」
「悲しいよねー、そうだよねー」
と、感情の根っこまで見つめてあげて、よしよしよしよしとしてあげる。
そうすることで、イラッとすることはありますが、それを引きずってイライラの空気を出しながら過ごすことは、ずいぶん少なくなったように感じます。
1回や2回じゃなくて、ずっとするんです。
ずーーーーーーっと、自分が自分のムツゴロウさんになるんです。
イライラするよね、悲しいよね、だからあんなこと言っちゃったよね、そうだよね、とひたすら受容する。
感情をノートに書き出し、吐き出し、体の中から出し切って、そして、共感してあげると、するっと手放せます。
怒りを抱えていると体が重くなります。
これは青木千草さんのことばですが、ほんとにそう。
こんなふうにして、自分に寄り添い続けることで自分を大切にするってことがどういうことか、体感でわかるようになってきました。
自分を大切にできるようになると、自然とことばの選び方や人との接し方も変わってきます。
まだまだ、やっちゃったなってこともありますが、それでも自分に優しくできていると、「こんなこと言ったら怒るかな、イラッとされるかな」と思いながらも大切なことだから思い切って伝えたら、軽く受け入れてもらえた、なんて場面を経験するようになりました。
自分を大切にできていると、損をする、という感覚が減ってくるように感じます。
だって自分を大切にしていたら、損なんてしないから。
無理をしないし、心地いいとか楽しいと思える範囲ですればいいことだと気づくから。
徳を積む、ってことも、いいことをするってことも、自分を大切にすることがすべての土台なんだなって感じています。
すべての土台である、自分を大切にすること。
今日も意識していきたいなと思います。
コメント