たとえばこころがビーカーのようなガラスの器だったとしたら、耳から入ってきた音楽がそのガラスの器の底にストン、と着地するような感覚を味わったのははじめてのことでした。
流行の音楽は、楽しいけれど、耳までしか入ってこないな、そんな感覚で聞いていました。
それが、あたたかい紅茶を淹れたみたいに温もりをもって心の底に着地した感覚。
それがMr.childrenをはじめて聴いたときの感覚でした。
あれから28年、人生に寄り添ってくれていたMr.cildrenの音楽は、たくさんの人の心にも寄り添ってきてたんだな、と感じました。
映画「GIFT FOR YOU」を観てきました。
ネタバレはしませんが、ミスチルの映画を見てきました。
2022年、ミスチルはデビュー30周年の記念の年で、いつもより控えめだとは思うけれど記念ツアーが開催されました。
その映像をもとに、映画がつくられて公開されていたので、観に行ってきました。
ムビチケカードといって前売りかネット販売で購入することができるチケットもありましたが、ネット販売はすでに完売していて、映画館で友達が買ってくれていました。
パンフレットもなかなか置いてるのは見かけなかったのですが、これも、その時にもらってきてくれていたのでいただきました。
ありがたい。
わたしが観たのは、MOVIX周南という映画館です。
友達が座席指定をしてくれていたのですが、最後列の9、10あたりが画面がちょうど目線の高さにあって、すごく見やすい席でした。
これから観に行かれる方で、多くはないと思いますが、MOVIX周南に行かれる方はぜひ参考にしてください。
Mr.childrenの音楽は、スイッチだった。
中学生の頃にミスチルを好きになって、それから、ノートの端っこに、歌詞を書いていたのを思い出します。
長く助走をとった方がより遠くに飛べるって聞いた
っていう歌詞なんかは、友達と比べて冴えない自分のことが嫌になったり、先が見えない悶々としていたその時期を、なんとかやり過ごすために、自分を励ますようにいつもノートに書いていました。
ミスチルファンの中ではものすごく人気の高いのが「終わりなき旅」ですが、長女でいい子で人の顔色を見て育ってきていたわたしには、
誰の真似もすんな 君は君でいい
生きるためのレシピなんてない ないさ
とか言われるともう号泣、みたいになっていました。
頭のいいいとこみたいになんてなれないし、明るくて誰とでもうまくやれるような人にもなれない。
近くにいる明るくてさっぱりしていてよく笑う、そんな人たちのようになれない、暗いじぶんが嫌になるけど、そんな時に慰めてくれるのは、 Mr.childrenの曲だったんですよね。
大学に入ったばかりの頃、みんなの顔色を見たり空気を読んだりしていて。
友達ってなんなんだろう、と損得勘定と友達との付き合い方、みたいなところで悩んで、苦しくなった時に、流れてきたinnocentworldの
入り組んでる関係の中で いつも帳尻合わせるけど
Ah君は君のままに 静かな暮らしの中で
時には風に身を任せるのもいいじゃない
に、号泣したのを覚えています。
ちょうど、1限目の授業をサボってしまって洗濯物を干している時だったこともあって、誰にも言えない心の内を、そっと聞いてくれて、よしよしって頭を撫でてもらえたような、そんな感覚になりました。
誰もわかってくれなくても、ここに来ればわかってもらえる。そんな安心感がある。
それがミスチルの音楽だったんです。
受け止めてもらえると、ひとは歩き出すことができるんですよね。
辛くて、悲しくて、苦しくて、悔しくて、恥ずかしくて、耐えられないくらいぐちゃぐちゃな感情になって。
それでも、受け止めてもらえるから、また前を向いて歩こうって気持ちになれるんです。
Mr.childrenは、わたしにとってはもちろんだけど、他の多くのミスチルファンにとっても、そんな存在なんだな、と感じました。
マイナスからプラスへ、座標軸を渡って、
思考を変えてくれるスイッチになる。
それが、ファンにとってのMr.childrenなのかなって感じました。
受け取ったこの幸せな気持ちを、次の誰かに渡したい。
ミスチルのライブに行くと、その空間の中で、全身で音楽と言葉と空気を受け止めてひたひたに満たされます。
こんなにすばらしい、貴重な時間をありがとう。
そんな感謝の気持ちで溢れるのですが、このしあわせな気持ちを渡したい、循環させたい、次の誰かに手渡していきたい、そう思うのがミスチルのライブでもあるような気がしています。
これを渡していきたい。
これも仕事や生きがいややりがいのモチベーションを上げる大きなエネルギーだと感じていたのを、思い出しました。
ライブって楽しいだけじゃない。
明日をがんばっていくための、パワーになるんだな。
コロナ禍でライブが中止されることも多かったけど、エンターテイメントは、希望にもなるしパワーにもなる、大切なもの。
早く思いっきりライブを、エンターテイメントを楽しめる日常が戻ってくることを祈っています。
最後に、音響に特化した映画館での上映もあるようなので、お近くの方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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