こんにちは、SLEナースumiです。
じいちゃん・ばあちゃんズの笑顔に支えられて仕事に行けているわたしが、前編で法律的なことを踏まえて老人ホームの看護師ってどんなことしてるの?について書きました。
今回は、もっと具体的に病院との違いについてお伝えします。
医師がいない。
え?
そうです。老人ホームには医師がいないんです。
回診で月に何回か、もしくは週に何回か来るところがほとんどで、いつもいつもいるわけではないんです。
だから、
「○○さんが転倒しました!先生ちょっと診てください!」
「△□さんが息が苦しいって言ってます!SpO2低下してるので診察お願いします!」
というわけにはいかないんです。
その上介護士さんからは
「どう?骨折してそう?」
と聞かれる始末。
骨折してるかどうかはレントゲン撮ってみないとわからないよーーーーという泣き言はこころの中でさけびつつ、冷静に考えて、すぐ病院へ行くべきか、様子を見ても良さそうか、などを判断します。
老人ホームの主治医になるのは嘱託医なのですが、そこでスムーズに動けるかどうかとかは嘱託医とどれくらい蜜に連携が取れているかによると思います。
まだまだ、施設で働き始めて新米ペーペーなので、うまく連携がとれていないのが実際のところ。
病院と違って検査できるものがまったくといってない。
あるのは血圧計とSpO2モニターと、わたしたちの目と耳と手触りとアセスメント力。
そこを間違うと、
「いや様子見てる場合じゃねーよ!はよ救急車呼べよ!」と心の中で叫ぶ事態に陥ります。
勉強、だいじ。
利用者さんに触れない
いや別に、お触り禁止とかそういう話ではありません。
でも、『手で触れて見る』と書いて『看護』と読むと、習ったのは大昔だから?
やはり看護師。
できれば利用者さんのそばで足浴したり、洗髪したりしてあげたい。清潔ケアだいすき。
でも、ここは老人施設。
メインのケアは介護士さん。
わたしたちは、影武者となって、薬の管理やセットに励みます。
利用者の薬のセットもけっこうな量で大変ですが、ショートステイで来られた方のぐちゃぐちゃな薬を整えるときにはもう、涙なくして語れません。
老老介護がほとんどだから、だいじな薬でも飲んでなさそうなこともしばしば。
ケアマネや家族に確認し、持ってきてもらえるのかなど連絡しては返事を待ち、そうしている間にあっという間に日は暮れていくのです。泣きそう。
そんなわたしたちが、利用者さんに触らせていただけるのは処置のときくらい。
ものすごーーーーく久しぶりに、陰部洗浄といってお下を洗っておむつ交換したときには、なんとも言えない幸福感を感じてしまったほどでした。
日々、精進
病院での経験は正直ものすごく役に立ちます。
モニターをいつも見ていたからこそ、脈拍を手首でとって「あ、あの不整脈っぽい」とか「呼吸波こんなリズムだな」とか見えるものがある。
ですが。
褥瘡と経管栄養に関しては、病院でもっとしっかり学んでおくべきだったーーーーー!!!
とはげしく後悔しています。
研修や本で学べるとはいっても、現場で経験した症例やその時の認定看護師さんたちからのアドバイスなどはやっぱりどうしたって病院にいなければ得られない知識や知恵があるものです。
いつかは病院を出てはたらきたいと思われてるかたは、ぜったいに、病院にいるうちに学べることを学んでおいたほうがいいと思います。
それに、病院と施設はやっぱり別分野。
毎日が葛藤や困惑の連続で、まだまだ日々精進はつづいていきます。
それもやっぱり楽しいのだけど。
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