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自分にとっての

「ああ、もう“健康”じゃなくなってしまったんだなぁ」

SLE(全身性エリテマトーデス)で入院したとき、そう思いました。

健康。

難病になってしまったわたしには、もう、<健康>は語れない。

元気で暮らしていた生活に、幕を下ろされてしまったような感覚がありました。

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暗闇に差したかすかな光

病人、になるつもりはなかったけれど、「健康」というメジャーなカテゴリーから外されてしまった、そんな感覚でした。

そんなとき、インターネットである記事を見つけました。

4人くらいの医師が記事を書いていて、そのうちのひとりが「統合医療」について書かれていました。

東洋医学もホメオパシーもアーユルヴェーダも西洋医学も。

どれもわたしはあると思っていて、西洋医学をメインの根拠においている病院で働いていると、東洋医学的なものを馬鹿にしたり下に見ていたりする人もいます。

実際、看護師になった当初、まだ新人の頃のことです。

「足の裏に樹液シートを貼ると毒素が抜けるからこれを貼ってやってください」

と言われる家族や患者さんに何人か出会ったことがありました。

正直、「こんなので良くなると思ってるの?」と思いましたが、ご家族の希望なので否定はせずに希望通りに樹液シートを患者さんの足の裏に貼ったりしていました。

それが、東洋医学的な何かあるのかどうかはわかりませんが、西洋医学では対応できない部分にアプローチするものがあることは今ではなんとなくわかります。

SLEになる前に発症していた「自己免疫性肝炎」も、同じく難病と言われていたので、西洋医学で治療できないのなら、何かできることはないだろうかと、びわの葉温灸をしたこともありました。

でも、その先生が書かれた「統合医療」の記事は、なんか胡散臭いなぁ・・・とすぐにページを閉じたんです。

でも、本当は気になっている統合医療。

自己免疫性肝炎の時は、症状もほとんどなかったし、病気である自覚もあまりありませんでした。

でも、入院して大掛かりな治療(と言っても内服ですが)が必要となった今、そしてこれからどうなるかわからない状態で、できることなら治したい。

西洋医学では治すことができないとされる、難病だけど、もしかしたら東洋医学や他の何か方法があるかもしれない。

半信半疑でその先生の記事を読み、先生の書かれた本を読むことにしました。

わたしにとっての「健康」とはなにか。

そんな、世間から外されてしまった気がしたわたしの心を救ってくれたのが、この本でした。

伝統医療では自分にとっての「健康」を最初に決め、自分がどこへ向かっていきたいか、目的地を決める。そのためには、自分の人生で大切なことを改めて問い直す必要がある。次にそこへ向けて今何ができるかを主体的に考え、自分が主役となり、自分自身の心や体の問題として取り組んでいく。

いのちを呼びさますもの/稲葉俊郎

「健康」とは、「調和」とも言い換えることもできるだろう。今の状態が「不調和」か「調和」なのかを、心や体と対話していく。細かい病名よりも、いかにして自分自身にとっての調和やバランスを獲得していくか、ということが大切なのだ。

いのちを呼びさますもの/稲葉俊郎

健康かどうかは、病気があるかどうかの問題じゃない。

身体的な問題はなくても心は健康ではないかもしれないし、身体的な病気があってもその人にとって心身ともに健康であるといえることもある。

いのちを呼びさますもの/稲葉俊郎

じぶんが、どんな状態でいたら、「生きている!」って感じられるのか。

わたしにとって「健康」とは、なんだろう。

この本を読んだ時と、今と、変わっているところもあるし、変わってないところもあります。

変わっていないところは、

「前を見てわくわくしている状態」

目の前が暗くなって、前を向くことができなくなっている時、それは、わたしにとって健康な状態ではないんですよね。

変わったところは、

「自分を愛し、感情をありのままに感じていられる状態」

この数年間で、特にこの1年で、自分を責めることは少なくなってきたような気がしています。

罪悪感のかたまりだったような自分から、責めることなく過ごしていられるのは、ほんとうに大きな変化だと思っています。

人は誰もがそれぞれの絶対的な人生を生きている。誰かと比較することはできない。それは、心や体に関しても同じことがいえる。生まれた時から与えられた心や体に最大限の敬意を払いながら、その人にとっての調和を、人生というプロセスの中で実現していくこと。そういう考え方のほうが、より長期的な視点に立った体の見方ではないかと次第に思うようになっていった。

いのちを呼びさますもの/稲葉俊郎

比べなくていいんだよ、とよく言われますが、比べることはそもそもできないんですよね。

ついついうまくいっている人と、そうでないじぶん、というように比較してしまうけど。

でも、誰とも比較できない以上、じぶんにとっての正解を見つけていくしかないんですよね。

じぶんにとっての「健康」ってなんだろう。

健康、だけじゃなく、成功、仕事、生きる、人生。

じぶんにとっての正解を見つけていくことが、自分らしい人生を生きていくためには必要なんだろうなとおもうのです。

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