「これ、わたしからは青に見えてるけど、他のひとからも同じように青に見えてるのかな?」
「ほんとうは、ちがう色に見えてるのかもしれない」
ちいさい時、自然の何かの色を見て、そうおもったのを思い出しました。
そう、ほんとうに、わたしとあなたで見えている色はちがうんだ、と知ったのはずいぶん大人になってからでした。
スポットライトを横から見る。
雲の隙間から陽が差していて、そこから照らされるスポットライトを横から見ているような感覚でした。
ひさしぶりに会ったともだちが、カフェについて話しているのを聞いているときのことです。
「こんなに雰囲気も良くて、早く出てくるのに、食事の質もいいね。たいていカフェは食事の質が良くなかったりするのに」
「食事も手間のかかるもので簡単じゃないのに、こんなに早く提供できるのはどんなオペレーションしてるのか気になる」
食事の質?
オペレーション?
そもそも、食事が出てくるのが早かったかどうかなんて、席について話をしていたらまったく気にもならなかったくらいなのに。
いや、気にならないくらい早く出てきたってことなんだとおもうんですが、遅かったら「遅い・・・」とはおもうかもですが、早く出てきたことに驚いたりはしませんでした。
カフェの雰囲気だってすごくいいし、おしゃれで、空間が広くて人がいても落ち着く。
このカフェおしゃれで居心地がいいね、くらいです。
それが、カフェで出される食事の質や提供される速さ、その食事をどんなふうに早く準備して提供するのかなんて、経営する側になってみないと見えてこないところだとおもうんです。
話を聞いてみると、ともだちは以前、働いていた場所の中でカフェ部門の立ち上げに責任者として関わったことがあるそうなんです。
カフェを立ち上げるにあたって、いろんなカフェに行った、と。
そこで、カフェだけでは利益が出ないからその雰囲気を壊さないために豆の焙煎や物販などを行なっているところが多い。
コーヒーの値段設定も、今でこそ外でコーヒーを飲む文化ができてきたけど当時はそんな場所がなくて値段も安く設定した。それなのに、それでも「コンビニは100円なのに高いって言われたんだよね」と話していて、すごくおもしろかったんです。
別のお店をはじめた時にも、日本にまだ多くない専門店だったので、わざわざ遠くても足を運んでみたり、いろんな場所で試してみたと話していたのを思い出しました。
そもそも、経営を学んだわけではないにもかかわらず、彼女はちゃんと市場調査をしていて、それでいてていねいに分析をしてるんです。
カフェの話に戻ると、外でコーヒーを飲む文化がない中で、低い値段設定から開始したにもかかわらず、ネガティブな声もあって。でもそんなふうにして少しずつ始めたことで、今はもう少し値段も上げていて、カフェも営業されているんですよね。
それって、文化をつくっていく、ということでもあるのかなと感じたんですよね。
もともとなかったものをつくっていくって、なかなか大変。
でも、少しずつ生活の中に溶け込むように馴染ませていくことで、そこにある人たちの暮らしの中にも溶け込んでいって、いつしかそれがあたりまえになっていく。
そこに持っていくための、その手前での調査と研究って必要なんだなって感じました。
ちがうメガネを手に入れることで幸福センサーは増える
ともだちの視点は、経営目線でのものの見方ってことではあるけれど、それって実は経営以外にも使えるものだとおもうんです。
カフェのオペレーションの話にしても、どんなふうにシステム化して仕事の質や速さを上げてるんだろう? っていう視点で見てみると、それってじぶんの仕事にも応用できますよね。
省ける手間だったり、やり方を変えることだったり、より効率良く、そしてより良く働ける方法へのヒントが得られることだってあるとおもうんです。
そういう、実用に生かすだけじゃなくて、じぶんにはない視点を知ることって、しあわせをたくさん感じられるようになるともおもうんです。
想像してみてください。
正解がひとつしかない世界って、そこに当てはまらなければ×がついてしまう、あまりに窮屈じゃありませんか?
正解が、2つも3つもあるって知れば、たった一つの正解に当てはまらないじぶんであったとしても、○になれる。
じぶんにはない感覚や視点って、ひととの出会いでしか得られないものだとおもうんです。それは生きてる・生きてないにかかわらず。
そんな、あたらしい視点とたくさんの刺激をもらった充実した休日でした。
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