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施設ナースはプロデューサーである!

「勝手に決められるからさぁ・・・」

正解のない中で、より安心・安全のためにどうしたらいいかを考えながら、対策を決めていた時に、通りすがりに聞こえてきた介護士さんの愚痴はけっこうグサリと刺さりました。

幸い入気者の中にコロナ陽性者が出たことはありませんが、ニアミスのような出来事が起きたことがあり、その時にもし誰かが感染していた時に広げないためにはどうしたらいいか・・・と頭を悩ませて、したことに対して言われた愚痴でした。

目次

決めたのにしてくれない。

「こうしてねって言ったのにされてないことが多い」

「できませんって言われた」

看護師が主に仕事をする部屋では、こういう話になることが多いです。

高齢者施設では、8割近くは介護士さんが占めていて、看護師は数人程度です。法的にも数人で良くて(入居者の人数によって決められてはいます)、お年寄りが生活する場所でそれを支えるのは介護士さんだからそういう割合になっているんです。

で、これは、介護士さんに対する愚痴ではありません。

介護士さんと看護師のスムーズな連携のために、だったり、医療的にこうした方がいいなと思うことだったりすることで、こういうふうにしてください、と伝えることがあるんですね。

でも、やっぱり「言った言わない」になるから、文書で残すようにはしていて。

それでもなお、されていないとか、「できません」と言われたりすることがあるのが現実なんです。

介護士さんからすると、「理想はそうかもしれないけど、じゃあこの業務やってみてよ」という気持ちはあるとおもいます。

「理想はそうだけど現実は無理なんですよね」

と言われることもまあまあある。

理論→実践に落とし込むしくみづくり

「理想はそうだけど現実は無理なんですよね」

それって、理想というか「最善の方法」とおもわれていることが現場の感覚に合ってないっていうことがあるんじゃないかとおもうんです。

あと、単発で業務を入れるんじゃなくて、システムとして業務に落とし込む。

「意識する、とかは対策じゃないからね」

病院勤務時代、ミスをしたらレポート書くんですが、そのレポートには対策を必ず書きます。その対策欄に、「◯◯しないように意識する」とかって書くと必ずこう言われました。

意識できていれば起きなかったミスなわけです。忙しいとか体調不良とか、メンタルが落ちているとか、何らかの理由があって意識できなかったわけです。意識しなくても起きないようにするためには、マニュアルの中にミスが起きないような手順を加えていくしかないんです。もしくは、マニュアルの見直しをする、とか。

つまり、あたらしいことを他の職種にしてもらうにはどういう方法だったらやりやすいか。どんなタイミングだったら、業務に組み込むことがでいるのか、どうすれば多忙な中で業務を入れることができるのか、を、その人たちと話し合ってみる必要があるとおもったんですね。

現場のひとたちの声をひたすら「どうしたらいい?」「どんなやり方ならできる?」と聞いていきながら、少しずつマニュアルを改訂していっているところです。

じぶんがわくわくする視点を探す。

そんなふうにしていると、反発の声もあまり耳にすることがなくなりました。で、現場のひとたちが、納得して進めていることなので、協力もしてくれるようになったんです。

それでも、医療職である看護が中心となって決めていかなきゃいけない場面もあって、同じ土壌のない職種のひとたちと話をすると、会話が噛み合わないこともあって、ほんとうに難しいって感じたり、歯痒かったり、腹が立ったり、すべて投げ出したいとおもうこともあります。

そんな時に、あるひとの話を聞いたんです。

「PTAって嫌がる人も多いけど、講師を呼んで講演会をすることができる。学校に新しい風をふかすこともできるし、日本の教育の底上げだな、とおもうとそこにすごくわくわくするんだ!」

講演会を多く主催しているひとの話で、すごく腑に落ちたんです。

そうだ。

この仕事の中でじぶんを生かしてできる、「わくわくする部分」ってどこだろう? って。

そう考えたら、落ち込んで嫌になってすべてを投げ出したいとおもうようになった、その前にわくわくしていたあの時、感じていたのは、施設看護師の仕事はプロデューサーだなって感じたことだった、と気づいたんです。

「高齢者施設は介護士さんが主役だから看護はでしゃばらないの!」

と以前一緒に働いていた上司に言われていて、働く意欲が萎えたんですが、そうじゃなくて、看護はプロデューサーなんだ、っておもったら、動きやすいように、しかもより良いケアができるような動き方をサポートしたら、もしかしたら、いいケアができる場所になるかもしれない!

じぶんの仕事をそんなふうに捉え直したら、わくわくするようになったんです。

仕事全てが好きなことじゃなくても、その中で「好きで得意」を活かせる部分ってなんだろう? って考えたら、わくわくすることが出てきませんか?

施設における看護の役割って、プロデューサーでもあるし、コンサルにもなれるし、でも、主役にもなれるともおもっています。

今のしごとの中で、好きで得意を活かせそうな部分って、どこですか?

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