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目の前のことを一生懸命にすることで一歩進める。

「次の感染委員はよろしくね」

そう言われていたのが、コロナが始まってすぐの2020年の夏頃。

委員会の仕事は2年の担当制で行っていて、当時の担当者の方からそう言われていました。コロナにどう対応していいかもわからない大変な時期を支えるのは、外から見ていても大変そうだったし、担当ではなくても施設の中の医療職として、調べたり協力できることは協力していました。

そして、今。

高齢者施設での感染委員の仕事をしています。

目次

高齢者施設での感染対策

高齢者施設って、まずもって医療職がいないんです。

施設の規模にもよりますが、医療職自体が、片手で数える程度です。病院のように、感染認定看護師さんがいたり、感染症専門医がいたりするわけじゃないんです。

その上、ほとんどの職員は感染に関しては一般的な知識のみ。

だから、

「MRSAの人の使ったティッシュをティッシュを上に被せて素手で取ってもいいの?」

と、聞かれたりします。

病院に勤めていると、感染する可能性のあるものとか基本的に手袋で掴むのが当たり前でティッシュが間にあれば大丈夫、と言う感覚自体ありません。

でも、そういう「清潔とは」「不潔とは」というところの認識から違うひとたちと、情報を共有していかなくちゃいけないので、病院にいる時よりも根拠を深く深く掘り下げないといけないんです。

病院で働いていると、同じ常識を共有できていたから、ここまで伝えれば良かった、と言うところで伝えても、「これはダメなの?」「これも危険じゃん」と、心配性の人は強く不安を訴えるし、楽観的な人は「大丈夫でしょ」という行動をすると感染が広がってしまう。

特にコロナは、日々変化していく中で、いろんなものをはっきりと線引きすることができません。

そんな中で、『ちょうどいい』を伝えていくのは、なかなかに大変です。

膨大な量の「なんとなく」

引き継ぎをされた時、ずっとやってきている「なんとなく」な資料集めが膨大な量ありました。

「これ、資料としている?」

と「?」が浮かぶものもあったけど、わからないからとにかくするしかない。

そして、目の前にきたものをただただこなしていくしかなかったんです。

それも、なぜか自分が担当していなかった時期に起きた、施設の中でかぜ症状が広がった事例の考察もしなきゃいけないという、初っ端から訳のわからないことまであって。

自分が担当していたことであれば、この時はこうして、どういう対策をとっていって、とかいうのがわかるけど、そうじゃないのにそのできごとをまとめろと言われても、と、泣きそうになりながら、というかたぶん泣きながらまとめたと思います。

感染委員会の資料づくりのために、調べ物をしたり、コロナのワクチンを打つと言われたらそのスケジュールを調整したり、問診票の準備をしたり。そうしている間にも尿路感染の人は増え、その対策を調べつつ、嘱託医からは「帯状疱疹のワクチンについて調べて入居者の家族に知らせよ」との指令が出たり。

・・・まだあるけど列挙しているだけで、吐きそうです。

で。

それを、泣きながらこなしているうちに、ほんの少しずつ、スキルアップしている自分に気づけたんです。

じぶんでじぶんを褒めたいです!

資料づくりに関しても、いろんな資料がEXCELで作られていて、でも感染委員会の資料として提出するときにはワードで作りますよね。

1回目に作ったときには、ワードに貼り付けてみたらどうかなんてことは1ミクロンも考えられなかったんですが、2回目に作ったときに、ワードに貼り付けた方がスマートじゃない? とやってみたんです。

が、撃沈。

そのままコピー&ペーストで貼り付けても形は崩れるし全然ダメなんですよね。

EXCELをワードに貼り付けるやり方を調べてはみたものの、よくわからず、断念していました。

そして、3回目。それほどの余裕はなかったのですが、どうやら、貼り付けるときにいくつかの手順を踏めばできそう、と言うことがわかって、無事貼り付けることができたんです。

感染委員をしていなかったら、資料づくりなんて興味もなかったし、調べたりもしなかったとおもうので、ひとつスキルアップしたじゃん! と

自分で自分を褒めたいです!

と、有森裕子さんになったところで、もう一つ。(まだ褒めるのか)

春に始めた感染対策で、その結果が見えてきているのが、数字として出てきたんです。でも、それは、ただの数字の羅列やいつも通りの表の添付だけでは見えない変化なんです。

それを是非とも、頑張ってくれている職員のみなさんに気づいてほしい、と、資料の表示方法も変えました。

頑張ったことが見える化できるような資料になったかな、と思います。

少しでもPDCAを回せるような動きができたらいいなと思ってしています。

一生懸命するから、一歩進める。

でもきっと、やっつけではなく、大変だけど目の前のことを一生懸命するから進めていけてるんだと思うんです。

最近思うんです。

やりたくない仕事、やりたくないことだからって、やっつけでやってしまうのって、もったいないなって。

やっつけでやりたい人はそれでいいんでしょうけど、せっかく与えられたことで得られるものってあるはずなのに、適当にこなしてしまったら、時間の無駄遣いになりますよね。

時間は人生だから。

適当にこなすよりは、真剣に向き合いたい。

どんな仕事も無駄な仕事なんてないんです。

目の前のことの、角度を変えてみたら光るものが見えるはず。

振り返ったときに、ちゃんと進んでいられますように。

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