「気づくだけでいいんです。」
ヨガの講座のなかで、心の悩みや葛藤をもっていて、最初の頃からよく質問に出ていたのが「こういう事象があって、イライラしちゃうんですけど、どうしたらいいですか?」
その答えが、「気づくだけでいいんです。まずは気づいてあげる。それでいいんです。」
最初の頃だったから、今の段階ではそれでいいってことなのかな?と、なんとなく腑に落ちないまま、言われたとおりに「感情に気づく」「こころの動きを観察する」をただただ続けていきました。
でも、それが、何よりも大切なことだったんです。
こころの動きを観察する。
ヨガ哲学では、感情=馬にたとえられます。ヨガの聖典にはそう書かれているみたいです。
でも、ぬん先生のヨガ講座の中では、感情=心のわんちゃん、と例えられていました。
心のわんちゃんを観察しよう、と最初からずっと言われます。
こころの動きやヨガ哲学を学ぶ中で、「みなさんのわんちゃん自慢をしてください」というシェアタイムがあるのです。
「まわりに暴力的なことばをむけないように心がける」とか
「うそはつかない」
などの教えがあるんですが、ただそう学ぶと苦しいですよね。
あれをしちゃいけない、これをしちゃいけない。聖人君子でないといけない、と言われているみたいだし、そうじゃない、泥臭い人間であるじぶんを嫌いになってしまいそうになる。
でも、そうじゃなくて、それをしちゃうじぶん・こころのわんちゃんもいるよね、と気づいて微笑んで見守る、みたいなスタンスで観察をするんです。
だから、「あーイライラしてるねー。よしよし」とか「あんなふうに言われて悲しかったよね。腹も立つよね、わかるわかる」とか。
ひたすら、感情の観察をして、気づくことを続けていくよう言われるんです。
そうしているうちに、イライラが減っていっていることに気づいたんです。
そして、おもったんです。
あれ、これ、あの本に書いてあったこととおなじだ。
成長の近道はフィードバックされた側が自分で気づくこと
2019年入院中、映画「ビリギャル」を観たんです。
すっっっっごくおもしろくて、じぶんを信じて突き進むさやかちゃん(学年ビリの女子高生が慶應大学に合格する話)と、さやかちゃんを信じて伴走する坪田先生にものすごく感動して、坪田先生の著書「才能の正体」を読んだんです。
坪田先生は、心理学を教育現場に応用していて、子どもたちのやる気が出るような声かけをしたりしながら、こどもにも社員にも関わっているような方でした。
その「才能の正体」の中で、
成長の一番の近道は、フィードバックされた側が自分で気づくこと。
と言われています。
人は、フィードバックされるとより良くなろうとする性質があるとのことで、上司が部下の才能を伸ばすための1番簡単は方法は、「中立的なフィードバックをただひたすらすること」なのだそう。
ヨガ講座のなかで身についていった「こころを観察する」ということは、「じぶんでじぶんのフィードバックをしている」こととおなじなんですよね。
もともとじぶんを責めるのは大得意で、失敗したら「あーミスった!」でいいのに、それにさらに上乗せして、これでもかっていうくらいに非難の言葉をあびせるタイプだったんです。
でも、こころを観察するだけ、をするようになって、それに気づくことができるようになったんですよね。
「あ、また責めてる。」
で、それに気づくと、責めることばたちが自然と消えていくんです。
「じぶんのこころがどんなふうに動いているかを知ること」をメタ認知というそうですが、こころの観察をしていると、それができるようになってくるんです。
坪田先生はこう書かれています。
不思議に思うかもしれませんが、自分の実況中継ができるようになると、人はポジティブな方向へ思考が変わるようになります。
「才能の正体」坪田信貴
実況中継を習慣にしよう。
「メタ認知ができるようになるには」って考えると、なかなkハードルが高く思えるかもしれません。
でも、こころの観察であったり、実況中継をする、という感じであれば、もう少しライトに考えられますよね。
イライラした時には、こころの観察ができるようになってきましたが、「おっと、怠けようとしているぞ〜」とか「焦って必死になっているねー」「ぷっ!今の本当はそんなこと思ってないでしょ〜」みたいに、いろんなバージョンで実況中継していけたら、日常がどんどん良くなっていくような気がしますよね。
怠けたいじぶんも、感情が暴走して食欲がバグって気がついたらお菓子の空の山だったりするじぶんも、まるごと受け止めつつ、軽やかに過ごしていけるようになるといいですよね。
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