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自宅療養中に意識していたこと。

「病治しではなく、楽しみなさい」

難病と診断を受け、怖くてたまらなかった入院生活を終えて、退院。今度は自宅でどう自分の病気と向き合っていいのかわからない不安を抱えて過ごしていた部屋で、今は、背中側にある窓から差し込む陽の光のあたたかさと、聞こえはじめたホトトギスの鳴き声に幸福感を感じながら過ごすことができています。

あの時、スマホの中に表示されたこのことばは、ほんとうに大切なことだったんだな、とようやく確信が持てるようになっています。

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生き方を見なおすタイミング

2018年12月、「SLE(全身性エリテマトーデス)」という難病と診断されました。

診断された時、なんで私が?!・・・というショックよりも、ホッとしたのを覚えています。

SLEという病気は自己免疫疾患で、自分の免疫が自分を攻撃する病気です。

自分のことを責め、自分さえ我慢すれば、とかいい子でいなきゃと思って自分の気持ちを抑えてきたり、自分より周りを優先してきたわたしにとって、自分を攻撃する病気になったことは、ショックというより納得でもありました。

それまでに自分に向き合って、いろんな感情を昇華してきたつもりだったのに、結果こういう病気になってしまったのか、というショックはありましたが、自分の気質は理解していたので、そうか・・・という感じで受け止めることが出来ました。

でも、だから、なんとかなる、とおもっていました。

自分の気質からなってしまったのだから、自分が変わればなんとかなる。

病気からくる不安はありましたが、なんとかなる、とはおもっていました。

だって、心理のことそこそこ勉強してきたもん。

そんな感じ。

そして、1ヶ月と少しの入院期間を経て、自宅での日常生活が始まってから、気づいたことがありました。

それは、

「すごいと思っている人のことばを鵜呑みにしている」

ということでした。

この人すごいな、この考え方ができる人ってなかなかいない気がする、そんな、「日常で聞こえてこない考え方」いわば常識とは別のところにある価値観を語る人にわたしはすごく憧れました。

そして、その人の発する言葉を信じ、価値観を吸収しようとしました。

その価値観や言葉自体は、今も間違っているとは思っていませんが、その言葉を、「あたかも自分もそう考えている」というように使っていたんです。

自分の中で咀嚼できていないし、その人が言った言葉をそのまま発するだけ。

あ、わたし、他人が言ったことを自分のことばのように発してる。

それに気づいたとき、じぶんの中身がなかったことに気がついて、絶望しました。

これは自分の価値観を作り直さなくては。

自分の中身がからっぽだったことに気づいたわたしは、療養期間を、自分の生き方を見直す土台づくりの期間とすることにしたのでした。

自分のセンサーが察知する方へ動く。

肺炎と心不全とで体が重くて辛かったのが、どんどん軽くなって症状の辛さも消えていった入院中。

採血の結果で一喜一憂することはあったけれど、からだの症状がないと気持ちは前向きになることができるんですよね。

それを実感したのが、退院してからです。

治療の副作用と長期入院とで落ちた筋力と体力は、お店に入る前にあるような2〜3段くらいの階段さえも手すりを持たないと上がれないほどになっていました。

洗濯を干してもぐったり。

お風呂から上がったらしばらく横にならないと動けない。

その上、退院直前の採血の結果でカリウムの数値が高く、腎臓に負担をかけないための塩分制限と、周りも自分も含めて厳しい食事制限に、泣きながらご飯を食べることもあったほど。

そんな状態で、気持ちは一気に沈んでいきました。

でも、入院中からときどき見ていた難病を克服された方のブログに書いてあるこの言葉に何度も、気を取り直し、自分の進む方向性を見失わないように示してもらうことができました。

それが、

\\病治しではなく、楽しみなさい。//

そんな言葉でした。

正確には少し違うかもしれませんが、病を治すことばかりを考えるのではなく、楽しむことを考えなさい、ということでした。

今読んでいる本の中にも似たような言葉が綴られています。

人間というものは、浮き沈み、波の高低のあるところに活きている。晴天の日もあれば、雨も日もあれば、風の日もある。その度に、自分の心を苦しめていたらどうなるか。病のときに、病にこだわれば、病に負けてしまう。(中略)

だから、病でも運命でも、消極的な気持ちにしないこと。そうするのには、まず相手にしないようにすることが一番である。病は忘れることによって治る!

運命を拓く/中村天風

「治る!」とは言いませんが、でも、「どんな状態でありたいか?」と考えると、病が治ることだけが全てではなく、病があろうとなかろうと、自分らしく生きていられることがしあわせなんじゃないかな、と思うのです。

症状が辛いとどうしても気持ちは沈みがちです。でも、少しでも軽やかでいられるときには、病気のことじゃなく、わくわくすることをしていると、ちゃんといい方向に運ばれていくんだと思うのです。

心がふわっと満たされるものに出会えますように。

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