「これじゃ私がやりたいことできないな」
なりたいと強く願ってようやくなった看護師。
「天国に一番近い病棟」と呼ばれていた、大学病院の最上階で、肺がんや白血病などの血液がんのひとたちと向き合う中で、まさに理想と現実のギャップに直面していました。
病棟看護師となって感じた絶望。
30〜40代の働きざかりの人も多く、まだ子育てをしていて自分が働かなきゃいけないのに入院して治療せざるを得ないお父さん。
3人のこどもたちを育てながら、生きるために治療をするお母さん。
治療をするとなるとPICCと言って肘あたりから点滴の管を入れて、心臓の近くまで到達させて、血管の外に漏れないように抗がん剤を入れることもあります。
清潔操作で先生が入れるので、まんなかに穴の空いた清潔な緑の布で覆われます。医療従事者にとっては日常にあるようなそんな処置も、患者さんにとっては一大事。
怖くて怖くてたまりません。
不安な手を握っていたこと、ぎゅっと握り返したその手は怖くて怖くてたまらないと言っているようでした。
働き盛り、子育て真っ最中、結婚したばかり、にもかかわらず病になった人たちは、病気の辛さだけでなく、これからの不安、そしてお金の不安も口にされることもありました。
でも、熱や血圧を測って、抗生剤をつないで・・・・とひとりにかけられる時間は5分もありません。
その不安を聞いていられる時間なんてないんです。
「また、来ますね」
そう言って立ち去るのですが、また戻ってきて話を聞くことなんてほとんどありませんでした。
病棟の中で働いていると、業務がたくさんあって、ゆっくりと話を聞く時間なんてないんです。
「これじゃ私のやりたいことが、できないな」
そう感じるようになりました。
「その人らしく生きる」を応援する方法
「その人らしく生きる、を応援したい」
看護師になる時からの私の願いです。
祖父の肺がん末期で亡くなったことを経て、「僕のホスピス1200日」を読み、残された時間をその人らしく支えたい、そう強く願うようになりました。
にも関わらず、看護から一度離れた時間を過ごしてみた結果、やっぱり看護が好きだという想いに気づき、就職した場所は、「救命センター」だったのです。
救命センターとは、脳梗塞や心筋梗塞で救急車で運ばれてきた患者さんが入る場所で、人工呼吸器がついていたり、重症な患者さんが入るところです。
やりたいと願っている精神的なケアは皆無に近い場所です。
そこには、お父さんのトラックの助手席に乗っていて高速道路で事故にあった中学2年生の男の子が運ばれてきたり、当時のじぶんと同じくらいの30歳で腹部大動脈瘤といって、お腹の大きな血管にこぶができてそこが破れかかっている状態の人が来たりと、生と死の残酷さを感じざるを得ない想いを何度も何度もしました。
生きたいと願っても、生きられなかった人たちがたくさんいる。
死は誰にでも平等におとずれます。
元気で生きていると、いつまでも生きていられるような気がしてしまいます。
慌ただしい日常を、必死でこなしていると、この日常が永遠に続くような気がしてしまいます。
でも、そうじゃないことに気がつくのは、いつもそれを失ってからなんです。
じぶんにとっての正解は、じぶんの中にある。
SLE(全身性エリテマトーデス)になって、改めてじぶんのやりたいことを見つめながら暮らしてきました。
ぼんやりと、死についてのワークショップや講座みたいなことをやりたいな、と思うようになったものの、そこから先がどうしていいのかわからなかった時に出会ったのが、
「いっぺん死んでみるワークショップ」
でした。
行動を変えるには体験しかない。
なんとなくずっと思っていて、疑似体験をすることで相手の気持ちを少しでも知ることができて対応も変わることができると思っています。
いっぺん死んでみるワークショップでは、病気になって死んでいく体験を通して、じぶんの本音に気づくことができると思っています。
明日死んでも後悔しない。
そのためには、じぶんが何を大切に思っているのか、誰を大切にしたいと思っているのか、どんなふうに生きたいのか。
じぶんの本音に触れることが大切です。
それに気づいて、そこから自分の人生を歩んでいくこと。
これがあなたらしく生きるためにとっても大切なことなんです。
死は誰にでも平等に訪れます。
しかも、時間は待ってはくれません。
このままいけば80歳まで生きるかもしれないし、突然の事故で明日命を終える可能性もあるんです。
明日死んでも後悔しない人生を歩むために、いっぺん死んでみるのも悪くはないと思います。ご興味がある方はぜひ、一度体験してみてください。
いっぺん死んでみるワークショップを開催できる、認定講師を目指しています。
開催できるようになりましたら、こちらで告知させていただきますので、その時にはよろしくお願いします。
明日死んでも後悔しないために、今日、あなたは何を選びますか?
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