「好きなことして生きよう」とか「好きなことを仕事にしよう」と言われることが多くなって、時代は変わりつつあるんだな、と感じます。
が、
本当に大事なことってなんでしょう。
どんなふうに生きていたい?
どんな最期を迎えたい?
考えたこと、ありますか?
何によろこびを感じるか。
テレビをつければ「これがあったら便利だよ」とか
SNSを開けば「これ買わなきゃ損だよ」とか
テンションが上がるような写真や映像でわたしたちに語りかけてきますよね。
実際、それを見てテンションが上がってたくさんのものを買ってきました。
必要もないのに。
知識にしてもそう。
これも必要かも、あれも必要かも、って、手に入れたらスーパーマンになれるんじゃないかっておもって手にした本は数え切れません。
でも、損しないことよりも、スーパーマンになることよりも、大切なことがあるんです。
それは、
じぶんを知ること
です。
誰もが言っていて、言い古されてるような気もするけど、誰もが言っている割にはみんなじぶんがわかっていない。
なにが好きで、なにが嫌い?
なにをしてると夢中になれて、なにをされると嫌なきもちになる?
どんなことによろこびを感じる?
それは、どんな偉人の真似をしても満たされないし、
どんな素敵なインフルエンサーの真似をしたってポッカリあいた穴は埋まらないんです。
じぶんの人生は、じぶんで舵を切るしかない。
それには、じぶんのことを、見たくない汚い部分も含めて知る必要があるんです。
死ぬときに言いたいことばは?
「どういう人生を生きたいですか?」
そう聞かれても、いきなり答えられないですよね。
でも、
「死ぬ時になんて言いたい?なんて言って死にたい?」
と問いかけてみた時に、その答えから、逆算したらいいんじゃないかとおもうんです。
わたしは、
「あー楽しかった!」って言って死にたいんです。
やりたいこと全部やる人生を送りたい。
だって、どうせ死ぬんだもん。
小学5年生くらいの頃、「人は絶対に死ぬのになんで生まれてきたんだろう?」っておもってました。
死ぬことが決まってるのに生まれてくる意味ってあるの?
って。
今は、その答えは、人生を味わうためだとおもっています。
臨死体験をしたひとの話を聞いたことがあって、その時に言われていたのが、
「死ぬ時には何も持っていけないんです。ただ持って行けるのは感情とか感覚だけなんです。だから、何を感じて生きていくかがすごく大事」
というようなことを言われていました。
小川糸さんの「ライオンのおやつ」にも、こうあります。
何が大事かって、今を生きているってことなの。自分の体で感じること。目で見て感動したり、触ったり、匂いを感じたり、舌で味わったり。そういうことが、今のお母さんにはとーっても懐かしいわ。体がなければできないことがたくさんあるから。
「ライオンのおやつ」小川糸
亡くなりゆく過程で、先に亡くなったお母さんがこう言うんです。
今あるからだで、冷たくなってきた風の感触を感じたり、
温かいコーヒーの入ったマグカップに触れてホッとしたり、
喉を通って温かさがからだの中に染み渡っていくのを感じたり。
そういうひとつひとつが大切なんですよね。
そして、わたしの場合は、あたらしい世界や人との出会いや誰かを笑顔にするためにできることをすることに喜びを感じます。
だから、からだがよろこぶことを全力でやっていきたい。
同じ日は二度と繰り返されない。だからこそ、将来を思い煩うことなく今日を生きよ。昔から何度も繰り返されるメッセージをいつだって私たちは3歩歩けば忘れてしまう。
「エンド・オブ・ライフ」佐々涼子
後悔しないで生きるために、
死ぬとき、あなたはなんて言いたいですか?
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