「好きなことを仕事にしよう」ということばを聞くことが多くなったような気がします。・・・というよりも、そんなことばが氾濫しすぎて、「好きなことなんかわからないよ」という声もまた多い。
例に漏れず、わたしも「好きなこと迷子」「じぶん探し迷子」になったクチですから、よくよくよーーーくわかります。
踏み出して見えた、「これじゃない」。
わたしは、看護師になろうとおもった頃から、「ターミナル期」と言われる、死が近づいたひとに対する看護やケアをしたいとおもってるんです。
つまり、看護が好き。
その軸ははっきりしているけれど、「好きなことを仕事にしよう」という風潮に乗っかって、「これだ!」と思ったことに挑戦してみたことがありました。
それは、写真×心理で活動しようと思ったんです。
写真が好きで、カメラが好きで、たまたま何かのSNSで流れてきたのが、ポートレイトを撮るカメラマンでした。
そのカメラマンが撮影をすると、撮影してもらったひとは、自分らしい生き方へ一歩踏み出していっているような印象でした。
「すごい!」
誰かの背中を、じぶんの好きな写真というツールで押すことができるなんて最高じゃん、とおもったのです。
心理セラピーを学んだこともあって、その学びを活かしてその人らしく生きるのを支えることがしたい、と思って始めたことでした。
もちろん、東京で活動しているその人のもとへ山口から通って写真のことや心理のことなんかを学びました。
で、活動を始めてみたら、ニーズは写真の方だったんです。
写真の腕はいいと思ったことはなくて、好きでいいなと思える写真が撮れればいいな、というくらい。写真好きだから、周りにはたくさんすばらしい写真家さんたちがいるので、写真を仕事にしているなんてとてもじゃないけど言えませんでした。
心理的なアプローチができないことに悶々として、わたしがやりたいことはこれじゃないな、と気がつき、その挑戦は辞めました。
少し似ていて魅力のあるひとを見ると、じぶんが見える。
学ぶことは好きですが、誰から学ぶかはとても重要。
同じことを学ぶとしても、学ぶ人によって入り方は全然違ってくるからです。
ある学びをしている中で、その先生が話していたことから、じぶんのことが見える体験をしました。
「教えることが好き」と言われたその先生。
わたしも教えることは好きかもしれない。職場で伝えるとき、なんか楽しかったような気がする。
「難しいことをわかりやすく伝えるのが得意なんです」
と言われ、わたしは・・・難しいことをわかりやすく伝えるなんてできないな、と思ったのです。
わかりやすく伝えるとかはできない。
でも。
体感してもらうような方法を考えることが好きだ。
そう気がついたんです。
大学生の時、ピアカウンセリングと言う活動をしていました。
ピアというのはpeer(仲間)という意味で、仲間によるカウンセリング、といういみですが、実際に私たちがやっていたのは、県の研究事業の一環で、大学生である私たちから高校生に向けての性教育を行う、ということでした。
大人が伝えても伝わりにくい、高校生に向けて、近い年齢である大学生から性のことを伝えていくと伝わるんじゃないか、ということだったんだと思います。
正確にいうと、ピアエデュケーション、ですね。
その時に、作っていった内容が、ワークショップ形式で、どういうふうに体感して腑に落としてもらうか、ということを考えながら組み立てていきました。
ひとは経験しないと変わらない。
新しい価値観やじぶんにない考え方は、別の経験や体験を通してでしか変われないんです。
それは今も思っていて、職場での研修も自分で組み立てる時には、どうやって体感してもらうかをベースに考えて作りました。
そのことに思い至ることができたんです。
似ていて、そして、魅力のあるひと
じぶんのことは、じぶんで向き合っているだけではわかりません。
確かに、掘り下げるワークもあるし、研修もあるし、カウンセリングも、何とかテストみたいなのもある。
もちろんそれでわかることもたくさんあります。
でも、もっとじぶんの奥へ進むには、違いを知ることじゃないかと思うんです。
友達や同じ場所にいるひととの会話でも気づきはあると思いますが、じぶんと少し似ていて、魅力的だなと思うひとの話を聞いたり話したりすることでより一層じぶんに気づくことができると思います。
友達や同じ場所にいるひとたちは、心地いいけど、価値観も似すぎているし、あまりにかけ離れたところにいるひとは、違いすぎるとおもってじぶんと当てはめようともしない。
でも、少し似ているなって感じる部分があると共感しやすいし、それでいて「ここは違うな」っていうところが見えやすい。
そんな人に触れることでじぶんを発見するのもおもしろいな、と思うのです。
じぶんの見えなかった一面を知るとわくわくするので、おすすめです。
新しいじぶんと、新しい世界に行けそうな気がしませんか。
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