5月10日は世界ループスデーでした。
海外では「ループス」として知られている全身性エリテマトーデス(SLE)は、皮膚、関節、腎臓、神経など全身にさまざまな症状や臓器障害が現れる自己免疫疾患で、20代~40代の女性が多く発症する難病で、SLE患者の10人に9人は女性といわれており、アメリカの歌手で女優のセレーナ・ゴメスもSLE患者のひとりです。蝶形紅斑といわれ、顔のまんなかに蝶のかたちの赤みが出るので、蝶の形が象徴されていることが多いです。
見た目ではその症状がわからないために、社会での理解を得にくい病気のひとつなので、こういうひともいるんだよってことを知ってもらうための日として設定されています。
全身性エリテマトーデス(SLE)とは
冒頭にも書いたように、20代〜40代の女性に多く発症する病気で、全身のいろんなところにいろんな症状が現れます。
ひとことでSLEといっても、症状は、ほんとーーーーーーーにさまざま。
血液データ上は寛解していたとしても、疲れやすさは残っていたり、関節痛があったり、ほんとうに人によって違います。
自分の免疫が自分の臓器やいろんなところを攻撃する病気で、原因ははっきりわからず、治療方法も確立されていません。今のところ、基本的には免疫を抑制することで症状を抑えて日常生活を送りましょう、というのが治療方法のベースになっています。
わたしの場合、その矛先が腎臓に向かっていたので、ループス腎炎という腎臓の症状が現れていました。足はパンパンで、抑えると痛いし、お風呂に浸かったところでむくみはおさまらない。そりゃあ、むくみはむくみでも、ただのむくみじゃなく、腎臓が炎症を起こしてタンパク質は漏れていたし血管の外に水分が漏れ出していたので、お風呂に浸かったくらいじゃよくなるはずもありません。
腎臓の細胞をとって検査をした結果、Ⅳ+Ⅴ型のループス腎炎という診断がつきました。
ひと昔前は、SLEのひとは透析になっている人が多かったそう。
ですが、今は研究も進んできて、治療方法もずいぶん変わってきていて、2019年に新しくなった診療ガイドラインでは、プレドニンをゼロにすることを目標にするようなことが書かれているのだそうです。(当時、ガイドライン作成に関わった先生の講演で言われていました)
あとはプラケニルという免疫調整薬が出てきたことも、再燃が少なくなったことに大きく影響したとも言われています。
SLEは、寛解といって病気が落ち着いている状態と、再燃といって病気が活発になっている状態を繰り返すと言われています。
プラケニルという薬が出る前は、再燃しやすかったのが、プラケニルを使い始めてからは再燃する人が少なくなったと言われています。
実際、発症当初からプラケニルを内服しているのですが、おかげで発症から5年間、一度も再燃することなく過ごせています。
怠けているわけじゃない。
寛解しているときには、外から見ると、ふつうのひとと何ら変わりはありません。
紫外線が病気を悪くする要因のひとつなので、紫外線対策をしっかりしているくらいで、元気なひととまったく変わりなく見えるんです。
それがいちばんのつらい部分でもあったりします。
SLEは寛解していても、つまり、採血の結果でデータは良くても、疲れやすいとかからだが冷えやすいとか、手や指先が白くなるレイノー症状が出やすいなど、パッと見ただけではわからない症状がいくつも残っています。
わたしの場合、疲れてくるとなんとなく息苦しくなり、限界を超えると空嘔吐が出ます。それも仕事中には出ないので、職場の玄関を出て駐車場に向かう途中で、「オエッ」と空嘔吐が出たりします。
寒いときは、前胸部あたりが重くなって、そこでもなんとなく息苦しく体が動かなくなります。
だから、疲れと寒さ対策がとっても大事。
仕事から帰ってきてぐったり横にならないときついことがあるのは、SLEの症状のひとつだったりもするのです。
だから、SLEの方が子育てしながら働いていたり、働いていなくても子育てしていたりするのを見ると、ほんとうにすごいなぁと思います。
でも、家族でも「怠けてる」って言われるひともいたりして、目に見えない症状は理解が得にくくて居場所がなくなっていくのが現状です。
目に見えなくても症状があるってひとがいることも、SLEに限らず理解が広がっていくといいなと思います。
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