「そろそろ沖縄に行きたいな」
『夏といえばap bank fes』という過ごしかたをすること早7年。いつも一緒にap bank fesに行っていたともだちが妊娠したのをきっかけに、行くのをやめたのが2012年のことでした。
ap bank fesは、ミスチルの桜井さんや小林武史さんが主催されている、環境問題を取り上げている野外音楽イベントです。2011年の震災をきっかけに、環境問題だけではなく復興支援にも積極的に取り組まれていました。
わたしは、3日間プラス前夜祭のあるこのフェスに前夜祭含めフルで参加していたので、それ以外に旅行に行くという選択肢を持てずにいました。
その前は沖縄によく旅に行っていたので、そろそろ沖縄にも行きたいな、とおもっていたころで、ともだちの妊娠は逆にフェスを諦める理由になったので、ホッとしたきもちもありました。
陰陽?なにそれ、おいしいの?
沖縄に行くとなったら、旅のスタイルは、ドミトリー一択です。
初めての沖縄の旅で、ドミトリーで出会ったひとたちと、借りていたレンタカーでいろんなところを回ったりした体験をしてからは、一人旅ならドミトリーがいいとおもってました。
ドミトリーというのは、宿の種類のことで、宿にもよるんですが、ベッドのみじぶんのスペースとして与えられて、トイレ・台所・風呂(沖縄だからシャワー)などは全て共同です。
調味料は自由に使っていいようになっているところも多く、食材を買ってきて、じぶんで調理してご飯を食べることができる上に、そんな宿だから、1泊1000〜3000円とかなり安く泊まれます。
で、沖縄はゆんたくと言って夕食後にみんなで泡盛を飲んだり、好きなお酒を飲みながら話したりして、泊まっているバックパッカーやお客さんたちと語り合ったりするんです。
2012年の10月。
宮古島にあるドミトリーに宿泊して、ダイビングをしたりして過ごしました。
ちょうど震災の次の年で、まだまだ原発の事故のこともあったりして、こどもへの影響をできるだけ少なくしたい、と自然の多い宮古島でしばらく過ごすために来てる、という親子もいました。
そこには、泊まり込みで宿のお手伝いをしているお兄さんがいました。髭も生えていて、髪も長くて、ヒッピーみたいな感じ。
でも、コーヒーは空のカップにお湯を入れて温めることから始めるくらい繊細に丁寧に入れてくれて、そのコーヒーがすごくおいしかったのを今でも覚えています。
「コーヒーも陰になるんだよ」
何かの会話のなかで、陰陽の話が出てきて、そこでこう言われました。
陰陽・・・。
そんな考えかたがあるなんて知らなかったので、新鮮でした。
陽の性質をもつ食べものを食べると、からだを温めることができるんだよ、という会話流れのなかで、陰の性質をもつコーヒーはあまり飲まない方が良さそうな印象を感じました。
「でもバランスだからね。陰のものを食べたら、陽のものも食べたらいいんだよ」
自然とか体にいい、とか、に偏りすぎていないその考えかたは、何かを押しつけられるような恐怖はなくて、とても安心できるものでした。
仕事に行って、帰って、の日常のなかでそのヒッピーみたいな風貌のひとがいたとしても、きっと話すことはないとおもいます。
接点も持つことはないだろうし、あったとしても話しかけることはないと思います。
でも、そんな日常では出会えないひとから、知らなかった世界を一気に広げてもらうことができました。
まだまだ知らないことはたくさんある。
できることもたくさんある。
そんなふうに感じ、宿題をたくさんもらった旅になりました。
複数のコミュニティに所属することのおもしろさ
その後、とある出会いから人生はまた動き始めていくのですが、またしばらく沖縄からは遠のく暮らしが始まりました。
そして、キングコング西野さんがオンラインサロンを始めてしばらく経ったころ、価値観にすごく惹かれたひとがいて、そのひとが運営しているオンラインサロンに入ることにしました。
まだ、今ほどオンラインサロンが盛んではなかったように思います。
地方組のわたしは、会場参加できるひとたちと直接話をするのはむずかしく、するならZOOMで、という形が多かったんです。
リアルでの集まりにはZOOMで参加し、地方組・オンライン組も楽しく参加できるように現地のメンバーがすごく頑張ってくれたおかげで、地方・オンラインだからと疎外感を感じることなく打ち解けることができたように感じています。
そこでは、ヨガ講師を育てる先生や、漫画家さん、有名企業の方や、医師や理学療法士さんなどものすごくいろんな人たちがいて、安心・安全の場づくりについて研究していました。
日常では知り合うことのないひとたちと出会って、まったく知らない価値観を知れたり、医療という世界にはない考えかたを知れたりして、すごく刺激的でした。
仕事で話す会話では知り得ないことを知れるって、ものの見方をすごく広げてくれるんですよね。
すぐに仕事に活かすのはむずかしかったけど、その後の人生の選択肢とかにはかなり大きな影響を受けたとおもっています。
いつも一緒にいるひとたちの「常識」では、見えない選択肢も、違う世界にいるひとたちと接していることで、見えてくることもあるんです。
「これしかない」世界から「この選択肢もあるよね」って見える世界って、すごく広くないですか?
選択肢が広がると自由でもいられると思うんです。
コロナのおかげか、オンラインコミュニティはかなり発達してきてると思います。それまでは遠くの存在でしかなかった人とも繋がれる時代になってきています。
複数のコミュニティに身をおくことって、じぶんや日常にない価値観に触れることができるので、すごくおもしろくておすすめです。
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