「ACPの種を集めておくこと」
先日、ある番組で終末期を支えることについて特集されていました。あまり、テレビを見ないのですが、偶然その番組があることを知って、リアルタイムでは見ることができないので、録画して見たんです。
自分らしい人生を生きるために
その番組には、数年前に41歳で亡くなられたジャーナリストの金子哲雄さんの奥様も出られていました。
金子さんのことは、詳しくは覚えていないのですが、余命宣告を受けてから最期まで自分の意思を固めていたというか貫いた、なんかその姿が空気に透明感があって素晴らしいなと思った印象があります。
金子さんは余命宣告をされ、最期まで仕事をされたそうです。
その話し合いの中で重要な役割をしてくれたのが当時のマネージャーさんだったそう。
奥様としては、すぐに仕事を休んで療養して欲しかったそう。そりゃそうですよね。家族や身内からすると、体調を崩してるんだから仕事よりも体を休めることを優先してできるだけ長く生きていてほしい。そう考えるのは当然のことだと思います。
でも、医療者でもなく、家族でもない、程よい距離感のマネージャーという存在がいたことで話し合いの中で風穴を開けてくれたそうです。
仕事が金子さんにとって大切なものであるということを、マネージャーさんはわかっていたんじゃないのかなと思うんです。
最期まで金子さんらしく生きるには、仕事を続けたくて、その選択を支え、後押ししてくれる存在になったのがマネージャーさんだったんじゃないでしょうか。
ACPの種を集めておく。
ACPとは、アドバンスド・ケア・プランニングといい、人生会議と言われます。東京都医師会のHPから引用させていただきますね。
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは、将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、患者さんを主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、患者さんの意思決定を支援するプロセスのことです。患者さんの人生観や価値観、希望に沿った、将来の医療及びケアを具体化することを目標にしています。
東京都医師会
人生の最終段階で、どんなふうに過ごしたいかを話し合っておく、ということです。
何か起こった時、口から管を入れて人工呼吸器につながれたり、心臓マッサージをされたりすることを、本人が望んでいなかったとしても、その意思がわからない限り、そして、ご家族が希望すれば、高齢だったとしてもしなくちゃいけません。
この表のように、例えば心不全だとすると、内臓疾患のグラフのように、一旦悪くなって回復して、少ししたらまた悪くなって、また回復して・・・というのを繰り返すことで徐々に状態が悪くなっていきます。
こんなふうに悪くなっていく段階で、最期の段階をどうしたいのかを話し合っていく必要があるんですよね。
家でゆっくり命を閉じたいのか、病院に連れて行ってほしいのか、まだもう少し家族の顔を見ながら生きていたいのか。
その話し合いのプロセスがACPです。
プロセス、なんですよね。
「病院に行くか行かないか」だけではないんです。
この番組の中で、在宅医療クリニックの紅谷先生が言われていたことにハッとしました。
それが、
ふだんのポジティブな会話の中から、ACPの種を集めておく。
です。
そもそも、ACPは、どんなふうに生きたいか、最期の時間をどう過ごしたいかを話し合うプロセス。
家にいたいのか病院で亡くなりたいのか、場所の問題ではなく、どう過ごすことがその人らしい生き方なのかを一緒に探していくことなんですよね。
紅谷先生は「最近何が好きなのー?」とか「最近何にハマってるのー?」などといったポジティブな会話から、ACPの種を集めておくことが大事だと言われています。
娘のソフトボールの試合を、仕事を休んででも見に行っていたお父さんが、最後に「今日は行くのやめようか」と言ったけど、それまでの関わりの中で、どれほど娘さんのソフトボールを大事にしているかをわかっていた。
試合を見ないで家にいることと、ソフトボールの試合を見ること。
どっちがその人らしいか、どっちがその人の大事なことを大事にして過ごせている時間なのかを考えて、ソフトボールの試合を見に行くことに背中を押したのだそう。
結局試合を見て、すごく喜んで、そして、その翌日に息を引き取ったんだそうです。
「呼吸器をつけるかつけないか」
「胃ろうをするかしないか」
とかそういうことを決めるのがACPなのじゃなくて、どう生きるのがその人らしい生き方なのかを、普段から一緒に探していくことがACPなんだなってことに気がつきました。
1回の話し合いで、簡単には決められないですよね。
「らしく生きる」とは、心を喜ばせて生きること。
自分らしく生きるって、突然言われても、どういうことかわからないですよね。
でも、このACPについての番組を見てみると、自分らしく生きるってことは、自分を喜ばせて生きるっていうことなんじゃないかなと思うようになりました。
そして、その喜ばせるっていうところ。
自分の心が喜ぶことってなんだろう、っていうことを自分がちゃんとわかっておくってことがすごく大事。
外車やブランドのバッグが幸せの象徴だと思う人はずいぶん少なくなってきたと思うけど、自分にとって何が幸せなのか、何をしていると心が喜ぶのかを言語化しておくって大事です。
SNSやテレビや雑誌には、こうすれば幸せになれるよっと幸せを煽ってくるものがたくさんあります。
それを見た時に、揺らぐかどうかは、ちゃんと自分にとって何が幸せかを知っているかどうかだそう。
これは、本田晃一さんの動画からの学びです。
穏やかな声ですうっと入ってくるので、ぜひ見てみてください!!
で、知ってるだけじゃなんの役にも立たないってことは、最近ずっと思っているので、自分にとっての幸せを書き出してみました。
自分にとっての幸せのツボ、知っておくと自分で押せるから自分を幸せで満たすことができちゃうんですよね。
ぜひ、自分にとっての幸せのツボ、書き出して見てください。
何かの参考になれば幸いです。
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